自分のミスでカメラを壊しても、海外旅行保険は使えます！
海外旅行中は、いつもにもましてカメラを使う機会が増えます。目で見て美しい景色は、写真にも納めておきたいですよね。そんな大切なカメラですが、うっかりとホテルの部屋の中で落としてしまい、壊れてしまいました。
壊れてしまった以上、旅の間中、美しい景色であっても写真に収めることができなくなりますので、とても残念な気持ちになります。それでも、せめて修理代が保険でまかなわれることになれば、多少なりとも傷は癒やされるのではないでしょうか。
海外旅行保険に携行品損害の補償が付いていることは多いと思いますが、携行品損害の補償は、自分のミスやうっかりでカメラや携帯を壊してしまったときでも使うことができるのです。
カメラをうっかり落として壊してしまう
いつものように貯めたマイレージを活用し、ギリシャ旅行に出かけました。日本からの直行便はありませんので、カタール航空でドーハ乗り継ぎでした。
最終目的地であるギリシャのサントリーニ島にはカタール航空は就航していませんので、ドーハ乗り継ぎのアテネ行きのチケットを特典航空券で確保し、アテネからサントリーニ島への往復は、ギリシャの航空会社であるエーゲ航空のエコノミークラスを別途購入することとしました。
サントリーニ島は、白壁と青色の屋根のコントラストがとても美しい街並みを作り出しています。航空券は特典航空券を使い安く手に入れているので、ホテルは奮発して、ちょっといいホテルに宿泊しました。サントリーニ島のお土産屋さんで売っている絵はがきにも出てくるような、美しい外観が自慢のホテルで、居室は洞窟のような仕上がりでとても雰囲気があります。
そのホテルは料理がとてもおいしく、部屋のテラスまで食事を届けてもらうことで、美しい景色を眺めながらおいしい料理を楽しむことができます。本当に、この上ない幸せな時間を過ごすことができました。
ところが、です。部屋の中を写真に収めていたところ、うっかり手を滑らせて、カメラを落としてしまいました。落としどころが悪かったのか、大理石の床との相性が悪かったのか、カメラのレンズが飛び出したまま、うんともすんともいいません。カメラが壊れてしまったのです。
そのときはとてもショックでした。この先、ギリシャの、エーゲ海の、美しい景色を収めることができないのです。とはいえ、壊れてしまったカメラの修理はサントリーニ島では不可能なので、手元にあった携帯電話のカメラで写真を残すことにしましたが、手持ちの携帯電話のカメラの性能はカメラと比べるとイマイチで、写真にプリントしてみると、写真の美しさが全く違います。旅行中にカメラが壊れるとは、とても残念でなりません。
海外旅行保険の「携行品損害保険」の対象になります
SPGアメックスカードに付帯する海外旅行保険には、携行品損害保険が付帯しています。これは、「海外旅行中に被保険者が所有し携行する身の回りの品（カメラ、宝石、衣類など）が盗難、破損、火災などの偶然な事故により損害を受けた場合」に適用されるものです。
そのような場合には、「携行品１個または１対について10万円を限度として時価額または修繕費のいずれか低い額をお支払いします」とされています。とはいえ、免責金額として3000円が設定されていますので、少なくとも3000円は自分で負担する必要があります。
このときは、うっかり手を滑らせてしまってカメラを落としてしまったのですが、この状況は、「偶然な事故により損害を受けた場合」に該当すると考えられます。
しかし、故障の原因が機械の寿命などの自然故障だと対象になりません。また、置き忘れや紛失、置き忘れ後の盗難といった事故は対象にならず、すべてのトラブルに対応できる保険ではありませんので、注意が必要です。
壊れてしまったカメラは、購入当時４万円程度のデジカメだったのですが、２年程経過したものとなりますので、２年経過分した時価額を上限として、保険金が支払われることになります。
ただ、時価額をどう評価するのかはよくわかりませんでした。保険会社に聞いたところ、時価を評価する目安としては次の計算となるということです。
- １年経過・・・購入金額の９０％評価
- ２年経過・・・購入金額の８０％評価
- ３年経過・・・購入金額の７０％評価
- ４年経過・・・購入金額の６０％評価
- ５年以上経過・購入金額の５０％評価
しかし、例えば、パソコンみたいに更新サイクルが早い物は、もっと時価評価額の下がり方が大きくなると考えられますので、目安だとされているのだと考えられます。
実際に修理をしなくても、保険金を受け取ることができます【重要】
重要なのは、実際に修理を行っても良いのですが、修理費用の見積りがあれば、修理を行わずに保険金だけを受け取ることもできる、という点です。
壊れたときの状態によっては、修理をして使い続けるより、修理代を元に新しい物を購入したいと考える方もいると思いますが、この携行品損害保険では、実際に修理を行わずに、修理見積もりを元に保険金を受け取るということが可能となります。このような選択肢があるのは、とても助かりますね。
壊れたのがソニーのデジカメでしたので、ソニーの修理拠点に持ち込み見積りを依頼しました。そのときは、見積りだけであれば無料で出してもらうことができましたが、故障の状態などを工場で確認してもらう必要があったので、見積りを作成してもらうまで10日前後必要となりました。
その結果、修理費用は12000円くらいの見積りとなりました。メーカーや修理の依頼先によっては、見積りを依頼するだけで、分解調査のための費用などとして数千円の費用がかかることがあります。見積り取得のためにかかったこのような費用は保険金の対象外となりますので、注意が必要です。
壊れたデジカメは、購入時の価格が約４万円、2年間使用したのでそこからいくらか減額されて時価額が評価されることとなりますが、３万円程度になるでしょうか。修理費用の見積り金額は約12000円でしたので、時価額よりも安い金額となりそうです。ここから自己負担額3000円を差し引いた約9000円が保険金の金額となると見込まれます。
私は、保険金が出たとしても、新しいカメラを買うためにかなり足が出てしまいますので、修理をして利用することにしました。
細かい点ですが、実際に修理を行った場合には送料も保険金の対象となりますが、見積りだけで保険金を請求し、実際に修理をしなかったときには、見積りのために送料が発生したとしても、送料については保険金の対象外となりますので、どこまでが保険金の対象となるのか、しっかりと確認する必要があります。
保険金の請求手続き
帰国してから保険会社に連絡して、事故の状況等を説明し、書類を送付してもらうことになります。
書類に必要事項を記載して返送することになるのですが、連絡先等の個人情報、カメラが壊れたときの状況の説明に加えて、第三者による事故の証明が必要となります。つまり、第三者による、カメラを落として壊してしまったときの状況の証明、ということです。
例えば、ツアー中であれば、ツアーの同行者に証明をお願いすることなどが考えられます。しかし、ホテルの客室内などで、家族だけしかいない場合や、自分１人しかいないという状況も考えられます。
このような場合、その状況を保険会社に説明することで、家族による証明で大丈夫なので家族にサインをしてもらってください、となることや、自分１人しかいない状況なので証明してくれる人がいない、ということであれば第三者による証明欄は記載なしで保険金を申請してください、となることがありますので、まずは保険会社に状況を説明しましょう。
このときは、ホテルの客室内でしたので、家族しかカメラを落としたところを見ていませんでしたが、家族による証明で保険金を請求し、認められましたから、必ずしも第三者からの証明が得られなければならない、というものではありません。
添付書類としては、故障したものの購入金額がわかるレシートや保証書が求められます。これについては、購入してから数年経過している場合には、残っていないことも多いのではと思います。
損保ジャパン日本興亜の「よくある質問」コーナーにおいても、購入金額が不明な場合は、覚えている範囲で金額等を申告すれば、保険会社の方で調査の上金額を提示する旨記載がありますので、レシートや保証書がなかったとしても、保険金の請求をためらうことはありません。
実際に、壊れたカメラは、レシートも保証書も残っていませんでしたので、その旨申告したのですが、保険金の支払いが認められました。
保証書は保証期間が過ぎてしまえば役に立たないので捨ててしまいますし、レシートについても購入後すぐに捨ててしまうことが多いです。
ただ、このように海外旅行保険で修理をする可能性があると考えると、パソコンや携帯電話、カメラといった、海外に持って行く可能性があるものについては、レシートを保管しておいた方が後々役に立つと思いますので、今では可能な限りとっておくようにしています。
また、添付書類として、故障したことがわかる写真も必要となります。このときは、デジカメが壊れてしまったため、携帯のカメラで撮った写真をワードファイルに貼り付けて、A4用紙に印刷して添付しましたので、必ずしも写真プリントしたものでなくても大丈夫です。
まとめ
旅行中にカメラが壊れてしまった場合、修理代よりも写真が撮れないということの方が、正直なところショックが大きかったです。きれいな写真が撮れなかったという事実はどうにもできませんが、修理代は海外旅行保険に入っておけばまかなうことができますので、ショックを和らげるためにも入っておきたいですね。
それに、旅行先が大都市であれば、修理代を保険金で請求することを念頭に、潔く新しいカメラを購入して、旅を続けても良いかもしれません。海外旅行保険に入っていれば、そのような選択肢があるということが安心感につながりますね。