ロストバゲージした荷物がいつまで経っても届かないときの、海外旅行保険

2020年3月16日

旅の荷物の量はわがままの量

そういう心持ちで、夫婦二人だけで海外旅行に行くときは極力荷物を少なくして、全てを機内に持ち込んで出かけてきました。

ところが、子供が生まれるとそうはいきません。まず、ベビーカーは確実に預け荷物となります。乳幼児だと、大量の紙おむつを持参する必要がありますので、荷物がかなりかさばります。それに、離乳食も持ち歩くことが必要なのですが、パウチのものだと液体物扱いとなるので、必要最小限のベビーフードは機内持ち込みも可能かもしれませんが、原則預け荷物となります。

こうして、子連れで海外旅行に出かけるとき、預け荷物をすることが多くなりましたが、初めてのロストバゲージに遭遇してから何年も経過し、すっかり忘れかけていた頃に、久しぶりにロストバゲージに遭遇してしまいました。

初めてのロストバゲージの時は、空港に着いたすぐ次の日の朝には荷物が手元に届いたのですが、このときは、ロストバゲージとなってから何日もたって、諦めていた頃になってようやく、荷物が届いたという状態でした。

SPGアメックスのように、寄託手荷物遅延補償が付帯する海外旅行保険であれば、ロストバゲージとなって6時間以上経過すれば、受託手荷物遅延費用の補償が受けられます。しかし、48時間を超えて手荷物を受け取ることができない場合には、さらに、受託手荷物紛失費用の補償を受けることができます。

トルコ航空ビジネスクラスでもロストバゲージに遭遇

頑張ってためていたマイルが集まったので、特典航空券を活用し、トルコ航空(ターキッシュ・エアラインズ)のビジネスクラスで、スペインとパリに行くことにしました。お休みもしっかり調整して、2週間の長期旅行です。

子供の年齢は、たびひさ(中)が4歳たびひさ(小)が2歳でしたので、大きなスーツケース2つに着替えや日用品を、その他、旅行中に消費されるであろう紙おむつ(1日8枚、14日分で100枚以上、しかもそれが二人分…)が入った段ボール、離乳食などが入った段ボールベビーカーなど、大量の荷物を預けました。

トルコ航空のビジネスクラスはとても快適で、フルフラットになる広いシートでくつろぎ、トルコ航空ビジネスクラスの特徴である「フライングシェフ」によるおいしい機内食をしっかり堪能しました。しかも、たびひさ(小)がまだ2歳だったので、座席は必要ありません家族4人での旅行だったのですが、3人分のマイレージでビジネスクラスに搭乗できました。

乗り継ぎのため、イスタンブールの空港に到着したのですが、全体的に飛行機が遅延しているようで、たびひさ家族が乗る予定だったマドリード行きのフライトも3時間程度遅延していました。当初の乗り継ぎ時間が3時間程度あったので、合計で6時間くらい空港に滞在することとなったのですが、ビジネスクラス用の空港ラウンジにてゆっくりできたため、多少暇を持て余すことはあってもそんなに苦痛でもありません。

ロストバゲージに遭遇

ところが、マドリードの空港では、荷物がスーツケース1つしか出てきません。荷物を回収した他の乗客が次々と空港の外へと出て行く中、最後まで取り残され、ついにはターンテーブルが停止しました。

あぁ、ロストバゲージだ…

預けた荷物のうち、1つだけ出てきて4つは出てこない、どうやったらこんな中途半端なロストバゲージが起こるんだろう…と思いつつ、2度目のロストバゲージなので素早くバゲージクレームの係員に手続きをお願いします。

他にもロストバゲージしてしまった乗客がいる場合、ここで出遅れると列に並ぶことになりかねませんので、とにかく、素早くバゲージクレームに向かった方がよいです。実際に、私たち家族の後ろには、数人が列を作って待つこととなりました。

バゲージクレームでは、文句を言っても何も解決しませんので、落ち着いて、名前や宿泊先といった必要な情報を伝えて、レポートを発行してもらうだけです。

ただ、今回は2週間の長期旅行で、

マドリード1泊→トレド2泊→パリ4泊→グラナダ2泊→バルセロナ4泊

となり、スペインとフランスを行ったり来たりします。

滞在先の情報をしっかり伝えたのですが、この行程で、荷物はどのタイミングで追いつくのだろうかと心配になりますが、荷物の到着を待つほかにできることはありません。

それともう一つ、忘れてはいけないのが航空会社による補償の有無を確認することです。バゲージクレームで補償の有無を確認をしようとしたのですが、バゲージクレームの係員はよくわからないと言います。

バゲージクレームの職員は、グランドハンドリングという旅客の手荷物取り扱いサービスを行う専門の会社の職員であることが多く、補償について話を聞くことはできません。素直にその場は諦めて、他を探しましょう。

そこで、出発ロビーに移動し、トルコ航空のカウンターを探しました。トルコ航空が就航している以上、必ずカウンターがあるはずです。実際、無事に見つけることができましたので、トルコ航空の職員に補償の有無を確認をしたところ、一人300ドルまで補償があるから領収書をとっておいて、とのことでした。

2歳児は座席はないのですが、2歳児の分を含めて4人分補償されるのだろうか?などと細かく確認する余裕(=英語力)はないので、ある程度補償が得られそうだという情報だけで多少の安心感を得たのでした。どのみち、担当者の言うことは不正確であることも多く、本当に300ドル補償してもらえるのかどうかも謎ですから。

マドリードでベビーカーを探す

到着初日は疲れているだろうと思い、空港近くのホテルを予約していました。ホテルまでシャトルバスで移動した後、ホテルから歩いて行ける場所にスーパーマーケットがあったので、とりあえず、子供のおむつと離乳食を確保することができました。

空港近くのホテルの周辺には、コンビニやスーパーといった買い物する場所が見つからない場合も多いですから、歩いて行ける範囲内にスーパーがあったのはラッキーでした。

幸いにも、出てきたスーツケースにある程度の日用品や着替えがあったので、香港でのロストバゲージのように、1日くらいですぐに届くといいねー、なんて思いながらその日は眠りについたのですが、そのような淡い期待はしっかりと裏切られました

翌日になっても荷物が届かないので、2歳児を抱っこし、4歳児には歩いてもらって、観光に出発です。普段は歩かない4歳児なのですが、ベビーカーがない以上歩くほかありません。トルコ航空も補償すると言っているし、海外旅行保険も活用できそうなので、観光がてら、子供用品を扱うお店があればベビーカーを買おうと思っていたのですが、マドリードの中心地では見つけることができません

午後にはトレドに移動しましたが、小さな街の旧市街全体が世界遺産となるような素敵な街並みです。ますますベビーカーが見つかりません。街歩きの観光はとても楽しく、見応えもあって良かったのですが、4歳児が「もう歩けない…」とねを上げてしまい子供2人を抱っこして街歩きをするという、なかなか大変な思いもしました。

パリでベビーカーを入手

この旅でパリを訪問した目的は、ユーロディズニーに行く、ただそれだけでしたので、潔く、ディズニーランドに隣接するホテルを予約していたのですが、今回はそれが幸いしました。というのも、ホテル最寄りの駅から地下鉄で1駅移動したところに、大きなアウトレットモールとショッピングモールがあったからです。そこでは、ついにベビーカーを買うことができました

また、必要最小限の着替えと日用品とで我慢してきたのですが、毎日専用のホームページから、ロストバゲージとなった荷物の行方がどうなっているのか検索を続けても、まったく表示が変わりません。旅行開始から既に3日以上経過し、ここまで荷物が届かないとなると、現地でしっかりと調達せざるを得なくなりましたが、アウトレットモールとショッピングモールがありましたので、必要な衣類と日用品をしっかりと調達して、旅の体制を整えることができました。

ロストバゲージで海外旅行保険の「受託手荷物紛失費用」の対象に

SPGアメックスの海外旅行保険では、ロストバゲージをした際、6時間を超えてロストバゲージとなった荷物を受け取ることができない場合受託手荷物遅延の補償として20,000円を上限に保険金が支払われることとなりますが、荷物を受け取るまでの時間がさらに長くなると、もう一つ適用されるものが出てきます。

それは、受託手荷物紛失の補償です。これは、40,000円を上限に、「被保険者が登場する航空便が予定していた目的地に到着してから48時間以内に、受託手荷物が予定した目的地に運搬されなかった場合に、当該受託手荷物は紛失したものとみなし、被保険者が予定した目的地において費用を負担することによって損害を被ったとき」に保険金を受け取ることができるというものです。

つまり、ロストバゲージして48時間以上経過したら、もう荷物が出てこないものとみなして、40,000円まで保険金が出るということです。しかもこれは、受託手荷物遅延費用の20,000円にプラスされて支払われますので、48時間以上経過したときには、合計で60,000円が補償の上限となるわけです。

その対象となるものは、「航空便が予定していた目的地に到着してから96時間以内に被保険者が予定していた目的地において負担した衣類購入費用、生活必需品購入費用。ただし、96時間以内に荷物が届いた場合は、荷物が届くまでに負担した費用」とされています。

私の場合、マドリードに到着してから96時間以内に購入したものが対象となりますので、パリに宿泊した日の翌日午後までがタイムリミットとなります。このため、パリに到着するや、ディズニーランドで遊ぶことを後回しにして、衣類や日用品の購入に走りました。

受託手荷物遅延費用の対象となった買い物

海外旅行保険は私のSPGアメックスカードに付帯していますから、私自身が必要なものを海外旅行保険でまかなって、家族に必要なものは後日トルコ航空に補償してもらおうと考えました。

今回の旅行は2週間の長期となりますから、必要となる衣類だけでも相当な量となります。子連れでの海外旅行ですから、寒暖の差も考え、アウターから半袖まで各種衣類を用意し、プール遊びするための水着類など様々なものを用意していたのですが、スーツケース1つしか受け取れませんでしたので、ほとんどの物が手元にありません。このため、やむを得ずかなりの買い物をすることになりました。

例えば、6月上旬のパリは思いのほか寒くアウターが必要となりましたが、手元にありません。アウトレットでは、高級ブランドのアウターを安く手に入れることができます

このときは、マックスマーラーで3万円くらいのアウターを購入したと思うのですが、ロストした荷物に入れてあるもので、必要な衣類であれば、高級ブランドであっても保険金が支払われます

また、長期旅行に必要となる衣類や日用品ですから、それなりの量となります。このため、荷物を運ぶためのスーツケースやカバンを購入せざるを得ません。基本的に、衣類や日用品が保険金の対象だとされているので、カバン類が対象となるのかどうか不安でしたが、大量の荷物を運ぶのに必要不可欠となりますので、保険金の支払い対象となりました。

この他、念願のベビーカーも無事に手に入れることができました。海外旅行保険のみならず、トルコ航空にも補償を請求できますので、ロストバゲージした荷物に入っていた、子供の水着やサンダルといったものも購入しました。

これでようやく、安心して旅を続けることができます暖かい格好で、子供はベビーカーに乗って、ユーロディズニーを満喫することができました。海外旅行保険がなければベビーカーの購入などためらうこともあったかと思うのですが、こういうときのための保険なんだと改めて実感しました。

まとめ

結局、ロストバゲージとなった荷物は、帰国する2日前になって、ようやく、バルセロナのホテルに届きました。10日以上経過していたので本当に諦めていたので、届いたときにはうれしかったのですが、どうしてこういうタイミングで届くのか不思議でなりません。

帰国後書類を整え、領収書を振り分けて保険会社とトルコ航空に補償を求めたところ、保険会社からは6万円が、トルコ航空からは800ドルが、それぞれ支払われました。当初、トルコ航空から1人300ドルと聞いていたので、どういう計算で800ドルとなるのかよくわかりませんでしたが…

今回は、航空会社からの補償がそれなりに出ましたので、結果的にそこまで足が出ることはありませんでしたが、そもそも航空会社によって対応は異なりますし、また、同じ航空会社であってもビジネスクラスかどうかで補償の金額、対応の有無等は変わってくると思います。

それでも、SPGアメックスのように、海外旅行保険に、寄託手荷物遅延費用や寄託手荷物紛失費用の補償が付帯していれば、利用する航空会社や座席クラスにかかわらず、条件を満たせば確実に補償が受けられることになりますので、安心して手荷物を預けることができます

ロストバゲージした上に、仕方なく衣類や日用品を買って余計な出費を招いたとなるとダメージは大きいですから、海外旅行保険は、是非とも受託手荷物遅延費用や受託手荷物紛失費用の補償が受けられるものを選びたいですね。

クレジットカードに自動付帯する海外旅行保険で、ロストバゲージの時にも頼りになるものは限られていますので、SPGアメックスカードように頼りになるカードを、1枚は持って行くことをおすすめします。

いずれにせよ、どこまで保険金の対象となるかについては、保険会社に確認することが確実だと思いますので、心配な場合には、オーバーシーズ・アシストなどを通じて事前に確認しておくことをお勧めします。