海外で生活中、子供の急病で日本の病院に緊急入院!海外旅行保険はここまで役に立ちます!!

海外留学や海外駐在で、長い間、家族で海外生活を過ごしていれば、急な病気や不慮の事故により、急遽帰国して日本の病院に入院せざるを得ないこともあると思います。

特にに発展途上国で生活している場合、衛生面での懸念もありますから、海外現地にある病院に入院して治療を受けるよりも、日本に帰国して入院治療を受ける方が良い場合もあります。赤ちゃんや幼児を連れての海外生活だと、特に心配ですよね。

わたしたちは、発展途上国で3年間ほど生活していたことがあるのですが、たびひさ(中)が4歳のとき、細菌性の感染症にかかってしまいました。もし、そのままその国で入院をしたとしても、費用は海外旅行保険でまかなうことができるので、お金の心配をすることなく、高級な私立病院に入院することは可能です。

このようなとき、海外旅行保険に加入していれば、医療費はしっかりと保険で支払われることになりますから、病院側としては金に糸目をつけずに治療することができます。そうすると、治療内容投薬のみならず、待ち時間なしで、順番をすっとばして医師に診察をしてもらえたり、病院内の移動に専門のスタッフが常に付き添ってくれたり、といったVIP待遇を受けることができます。

それでも、衛生面に問題が多い発展途上国では、現地で入院することは避けるべきとされていますので、日本に帰国して入院・治療をすることにしました。このようなとき、帰国するための航空券を手配する必要があるのですが、当日の手配となりますので、正規運賃に近い、高い値段の航空券しか買えません。また、赤ちゃんや小さな子供を連れての海外生活だと、家族も全員一緒に帰国しなければなりません。

それに、小さな子供が入院するときは、親も病室で寝泊まりして、つきっきりで生活のお世話をしなくてはなりません。たびひさ(中)が入院し、親が病室で寝泊まりすると、たびひさ(小)のお世話を他の誰かがしなくてはなりませんが、通常は、両親そろって長期間のお休みをとることは難しいです。

なので、可能であれば、小さな子供が入院するときは、実家の近くの病院を選んで入院させた方が良いです。このときは、実家の近くにある病院に入院したのですが、結果として、完治するまで3週間の入院となりましたので、実家の支援が本当にありがたかったです。

このようなとき、海外旅行保険に治療・救援費用特約がついていれば、治療費はもとより、日本への渡航費用のみならず、日本国内での、病院までの交通費なども保険金で支払われることになりますので、とても助かります。

そこで、私たちの経験を元に、どのような時に、どのような費用を対象に、保険金が支払われるのか、ご紹介します。海外で生活しているときに、緊急帰国して入院させなければならないということになれば、誰しも慌てることになりますので、私たちの経験が、少しでもお役に立てばと思います。

詳しくは以下でご紹介しますが、簡単に概要だけお伝えすると、例えば、海外で一緒に生活する家族のだれかがけがや病気になったとき、日本の病院に3日以上入院することになれば、けがや病気になった本人の治療費や交通費、その付き添いで日本に戻った家族3人までの交通費や滞在費といったものが保険金で補償されるというイメージです。

どのような費用が補償されるのか

私たちが当時利用していた三井住友海上の海外赴任者保険では、治療・救援費用保険金は次の通りとなっています。どこの保険会社でも概ね同じような補償内容となりますが、短期間の海外での滞在を前提としているクレジットカード付帯の海外旅行保険などの内容とは大きく異なる部分もありますので、実際にはご自身の加入している海外旅行保険の内容をご確認ください

治療費用

被保険者が負担した次の費用のうち社会通念上妥当な金額をいいます。ただし、ケガの時は事故の発生の日、病気の時は初診の費からその日を含めて180日以内に必要となった費用に限ります。

  • 医師、病院に支払った診察、入院関係費用(緊急移送費、移転費、医師の指示により静養する場合の宿泊施設の客室料を含みます。)
  • 治療のために必要な通訳雇入費用、交通費
  • 義手、義足の修理費(ケガの場合のみ)
  • 入院のために必要となった次の費用。ただし、1回のケガ、病気につき次の金額が限度となります。ア.国際電話料等通信費(20万円)、イ.身の回り品購入費(5万円)
  • 旅行行程離脱後、当初の旅行行程に復帰または直接帰国するために必要な交通費、宿泊費
  • 保険金請求のために必要な医師の診断書費用
  • 法令により公の機関より消毒を命じられた消毒費用

救援費用

保険契約者、被保険者または被保険者の親族が負担した次の費用のうち社会通念上妥当な金額をいいます。

  • 捜索救助費用
  • 現地へ赴く交通費(救援者3名分、1往復分限度)
  • 宿泊料(救援者3名分、1名につき14日分限度)
  • 救援者の渡航手続費ならびに救援者または被保険者が現地で支出した交通費、身の回り品購入費、国際電話料等通信費。ただし、合計で20万円が限度となります。
  • 現地からの移送費用(払戻しを受けた金額や負担することを予定していた金額、傷害・疾病治療費用部分でお支払いする金額は差し引きます。)
  • 遺体処理費用。ただし、100万円が限度となります。

海外旅行保険の説明内容となりますので、日本に生活の拠点のある人が、短期の海外旅行に出かけたときに適用されると思えば、救援費用として現地へ赴く交通費が補償されることなどなんとなくわかるのですが、海外で生活している状態だと、現地へ赴く交通費ってなんだろう?となってしまい、保険がどう適用されるのかわかりにくくなります

なので、留学や駐在などで海外に生活の拠点がある家族がファミリープランのような家族も補償の対象となる海外旅行保険に入っていることを前提に、その家族のうちの誰かがケガや病気となり、急遽日本に帰国して入院する必要が生じた場合としてご説明していきます。

どのような場合に適用されるのか

死亡時や遭難時など、様々な場面が考えられるのですが、そのような極端な事例ではなく、留学や駐在などで海外に生活の拠点がある家族が、その家族のうちの誰かがケガや病気となった場合としてご説明します。

傷害治療費部分

「責任期間中のケガのため、治療を受け、被保険者が治療費用を負担した場合」とされています。つまり、ケガをして治療を受ければ保険金がもらえるのですが、海外に出発する前のケガや、むちうちといった医学的な所見がないもの対象になりません

疾病治療部分

「責任期間中に発病した病気または責任期間終了後72時間以内に発病した病気(その病気の原因が責任期間中に発生したものに限ります。)のため、責任期間終了後72時間以内に治療を開始した場合」とされています。

つまり、海外に出発する前からの持病には適用されません。もし持病が心配だということであれば、持病にも対応可能な特約をつけられる海外旅行保険もありますので、そちらを検討されるのが良いかと思います。

また、妊娠や出産、歯科疾病にも適用がありませんので、注意が必要です。歯科疾病については、対応可能な特約をつけられる海外旅行保険もありますが、海外赴任や留学の前に、しっかりと虫歯を治療しておく方が多いのではないでしょうか。

救援費用部分

「責任期間中に被ったケガの治療のため、3日以上続けて入院した場合」「責任期間中に発病した病気の治療のため、3日以上続けて入院した場合。ただし、責任期間中に治療を開始していた場合に限ります」とされています。

つまり、ケガであれ、病気であれ、3日以上入院するということが必要になってきます。この点が、保険金の支払いの対象となるのかならないのか、予測が難しくなる部分です。

今では、日帰り入院で手術ができるなど、入院期間は短くなっています。また、入院が必要かどうか、何日くらいの入院になりそうか、といったことは、実際に帰国して治療を始めてみなければわかりません

私たちの時は、海外で医師が見立てた症状が、細菌性の感染症なので抗生物質の投与が必要だが、幼児に抗生物質を投与するとなると点滴することが必要となり入院しなければならないおそらく2~3週間程度の入院となるだろう、海外現地の病院は衛生面で不安があるため日本にすぐ帰国して日本の病院に入院させた方が良い、ということでしたので、おそらく保険の対象となるだろうなと思いつつ帰国することになりました。

ちなみに、わたしたちが愛用しているSPGアメックス付帯の海外旅行保険にも救援費用は補償の対象となりますが、7日以上入院するということが補償の条件となっています。実際の補償内容についてはご自身の保険内容をしっかりと確認しておくことが必要です。

海外と日本を往復する航空券

病気やケガとなった本人については、救援費用の中に移送費用が含まれていますので、3日以上の入院となれば補償されます。では、付き添いの家族はどうでしょうか。

付き添いの家族については、救援費用の中の現地に赴く交通費という形で、往復の交通費が3名を上限に補償されることになります。現地に赴く交通費、という表現がとてもわかりにくいのですが、現地=入院している日本の病院、となりますので、海外を出発して日本を往復する航空券であっても、補償の対象となります。

このため、病気やケガとなった本人と、付き添いの3人、併せて4人までであれば、保険の対象となる計算になります。私たちの時は、病気となったたびひさ(中)と、両親、たびひさ(小)の4人分の航空券を手配することになりました。

しかし、当日の急な帰国となると、様々な問題点がありました。

帰りの航空券の日付をどうするか

国際線の航空券を購入するとき、ふつうは往復で買いますが、帰りの日付が決まっていない航空券(オープンチケットといいます)は高額なので、保険金が支払われない可能性も見据えて、帰りの日付が決まっている航空券(Fixチケットといいます)を買いたいところです。しかも、有効期間が短いFixチケットほど安くなりますから、できるだけ有効期間の短いFixチケットを買いたいところです。

でも、入院治療のために帰国するわけですから、いつ帰りの飛行機に乗れるようになるかは、治療の状況次第となりわかりません。保険会社に確認したところ、もしFixチケットを買ったとしても、その後の治療状況により日本滞在が延びてしまったといった事情があれば、変更手数料や航空券の差額も保険金の対象となるということでした。なので、当初の治療見立ての2~3週間の入院という予想に沿って、1ヶ月間有効なFixチケットを買い、1ヶ月後の日付けを帰国便の日付けとしました。

家族全員が同一日程でなければならないのか

病気になったたびひさ(中)とたびひさ(小)、そしてぶひのの3人は、同じ工程で移動しますが、配偶者は仕事の都合もあり、1ヶ月も日本に滞在することができません。この点も保険会社に確認したところ、必ずしも家族全員が同一日程である必要はなく、配偶者だけ別日程とならざるを得ない事情を説明すれば大丈夫ということでした。このため、配偶者は7日間有効なFixチケットを買い、次の日曜日を帰国便の日付としました。

エコノミークラス以外でも大丈夫か

私たちの時は、JALのプレミアムエコノミーで往復しましたが、保険金の対象となりました。詳しくは、こちらの記事でご紹介していますので、ご参照ください。

当日出発の航空券が、インターネットで買えなかった

東南アジアと日本を結ぶフライトは、夜に東南アジアを出発して、朝日本に到着するフライトが多くあります。私たちは、午前中病院に行き、すぐに日本に帰国して入院するという話になったので、夜のフライトに乗って帰ることを考えていました。

そこで、インターネットで航空券を予約しようとしたのですが、JALさんのホームページからだと、空席の確認はできるのですが、なぜか決済ができません。慌ててJALさんのコールセンターに電話したのですが、時差のため日本時間では午後5時を少しだけ過ぎた時間でした。

インターネットで航空券が買えなかったので、今日の航空券を買いたいコールセンターでお願いしたのですが、午後5時を過ぎているので当日券の購入はできないとのお返事。。。

それでも、子供の病気でどうしても今夜の日本行きに乗る必要があるとお願いしたところ、そういう事情でしたらと、航空券の購入手続きをしてもらえました。ありがとうJALさん!

日本国内の交通費、滞在費など

どのようなものが対象となるのか、詳しくはこちらの記事でご紹介していますので、ご参照ください。

私たちの時は、実家のある地方の病院に入院させたかったのですが、東京からだとかなり距離があります。なので、羽田と地方空港を往復する航空券や、その前後で必要となった公共交通機関、タクシー費用が保険金の対象となりました。

なお、こちらの記事で詳しくご紹介していますが、レンタカーの代金は交通費とはならず、保険金の支払いの対象外となるので、注意が必要です。その記事にも書いているのですが、コールセンターに電話してあらかじめ相談したのに、かたくなにレンタカーの代金を交通費として認めてくれなかった損保ジャパン日本興亜さんの不誠実な対応は、今でも疑問に思っています。

治療費について

治療費については、全額保険金の対象となりました。

私たちの時は、親も寝泊まりして入院させる必要がありましたので、個室を使ったのですが、差額ベッド代についても保険金を請求してみました。

病院からの領収書には、特に費用の説明もなく、合計金額だけ書いてあったのですが、保険会社さんの方で直接病院に確認をされたようで、差額ベッド代については保険金の対象外ですというご説明がありました。幼児の入院なので、親の寝泊まりも必須です、だから個室が必要だったのですと説明したのですが、相部屋でも親の寝泊まりは可能ですし、そもそも治療費ではありませんので、差額ベッド代は保険金の対象外という説明には納得しました。

まとめ

赤ちゃんや子供が急な病気になって、日本に帰国して入院しなくてはとなったとき、とても慌てると思います。ですが、海外旅行保険に 治療・救援費用特約 が付いていれば、お金のことは心配せずに、安心して、日本に帰ることができます

いざというとき慌てないように、この経験談がご参考になれば幸いです。