修理不能なときも、携行品損害補償は使えます
海外旅行中にスーツケースが壊れることは、よくあると思います。
特に、飛行機に乗るときにスーツケースを預け、ターンテーブルで受け取ると、スーツケースが破損していた、ということはよくある話なのですが、特にハンドルやキャスター部分の破損の場合など、航空会社からの修理が受けられないことはよくあります。
そのような場合であっても、携行品損害補償が付帯した海外旅行保険に入っていれば、保険金の支払い対象となります。
また、出張の際に自分が所有するスーツケースを利用される方も多いと思いますが、海外旅行保険は、プライベートでの観光目的の旅行だけではなく、会社業務による海外出張にも適用されます。
もちろん、お勤めの会社によっては、会社が海外旅行保険を契約していることもあるかと思いますが、その補償範囲がどこまでなのかしっかりと把握しておく必要があります。携行品損害補償や航空便遅延損害補償が適用されないようであれば、是非ともこれらの補償が自動付帯しているクレジットカードを持っておきたいですね。
韓国出張中にスーツケースが壊れた
ある冬の日、韓国のソウルに出張しました。1泊2日の日程だったので着替えなどは少ないのですが、パソコンや書類など必要な物がいろいろとあったので、中型のスーツケースで出張しました。会社の備品にスーツケースはありませんでしたので、自前のスーツケースを使っての出張です。
空港から鉄道でホテル最寄りの地下鉄駅まで移動し、ホテルにチェックインする頃には暗くなっていました。ソウルの冬の夜はとても寒く、早くホテルにチェックインしようと急いで横断歩道を渡ったのですが、渡り終えたところで道路と歩道の段差にスーツケースが引っかかってしまい、転んでしまいました。
とっさに手をついたので、手のひらに軽い擦り傷くらいはできましたが、病院に行くほどのけがはありません。ほっとしたのもつかの間、スーツケースを確認すると、車輪が破損しており、ハンドルも少し曲がってしまって、奥まで引っ込まなくなっていました。
スーツケースの修理ができない
SPGアメックスカードには、携行品損害補償が自動付帯されています。このため、壊れたスーツケースは海外旅行保険を使って修理すればいいか、と思いました。
壊れたスーツケースはサムソナイトの製品でしたので、帰国後、サムソナイトの店舗に持ち込み、修理を依頼しました。見積りが出るまで1ヶ月程度必要ということでしたが、見積り取得のための手数料は発生しないということでしたので、お願いしました。
その後、店舗から連絡をいただいたのですが、回答は、「スーツケースの型が古く、部品のストックがないため修理不可能」ということでした。3年くらい前に購入した物でしたし、確かに購入した時点でも最新のスーツケースではなく、安くなっていた型落ちのスーツケースを選んだと記憶していますが、部品のストックがなくなっているとは思っていませんでしたので、修理できないという回答は予想外でした。
それでも、このような場合、海外旅行保険を請求するためには、修理ができない旨を書面で回答してもらえば大丈夫です。お願いすると、すぐに修理不可能である旨を記載した書面を用意してくれました。
また、修理ができないため、希望があれば、無料で、壊れたスーツケースを処分してもらえるという申し出もありました。修理ができないスーツケースが戻ってきても役に立ちませんし、粗大ゴミとして捨てるにもお金がかかりますから、修理できなかったのは残念ですが、無料で処分してもらえるのはありがたい限りです。
修理できない場合には、時価額が補償される
修理不可能な場合は、時価額が保険金として支払われることになります。購入時2万円だったスーツケースは、3年経過で購入時の70%評価となり、時価額14,000円と評価されました。そこから自己負担額3,000円が引かれますので、受け取ることができる保険金は11,000円となります。
実際に修理をしてもらった場合には、修理代金に加え、修理の際に必要となった送料についても保険金の対象となります。しかし、修理をしてもらうつもりで送料を支払い、修理をお願いしたにもかかわらず、結果として修理不可能となってしまった場合には、時価額が保険金の支払い対象となり、送料については保険金の支払い対象とはなりませんので、注意が必要です。
メールでの見積りの取得でも大丈夫
有名メーカーが製造したスーツケースであれば、そのメーカーの製品を扱っている店舗に持ち込むことで修理をしてもらうことができますし、修理見積りの取得もできます。しかし、ネット通販で購入したような、あまり有名ではないメーカーのスーツケースの場合など、どこに持ち込んで修理や見積りのお願いをすれば良いのか、迷うことがあると思います。
そんなとき、インターネットで検索をすれば、メーカーを問わずに修理の見積りを受け付けてくれる業者がみつかります。そこで、メールや問い合わせフォームから破損の状態を説明し、メールで見積りを送ってもらう方法も考えられますが、このように、メールで取り寄せた修理見積りであっても保険金の請求に利用することができますので、あてがないときにはインターネットで検索してみるのが良いと思います。
保険会社でもスーツケースの修理を手配してくれる
SPGアメックスカード付帯の海外旅行保険は、損保ジャパン日本興亜が引受保険会社となっているのですが、損保ジャパン日本興亜を始め、多くの保険会社では、スーツケースの修理対応を引き受けてくれます。
修理代金の上限は時価額となりますので、時価額より修理代金の方が安ければ、自己負担額3,000円で修理をしてもらえることになりますので、スーツケースを修理して使いたい、と考えた場合には、保険会社に任せるのも一つの手です。
保険金の請求手続き
帰国してから保険会社に連絡して、事故の状況等を説明し、書類を送付してもらうことになります。
書類に必要事項を記載して返送することになるのですが、連絡先等の個人情報、スーツケースが壊れたときの状況の説明に加えて、第三者による事故の証明が必要となります。しかし今回は、同行者のいない1人出張でしたし、他に通行人もいないような状況でしたので、証明をお願いできるような第三者はいませんでした。
また、3年前に購入したスーツケースとなりますので、購入時のレシートや保証書も残っていませんでした。
保険会社にその旨説明すると、今回は、第三者による事故の証明はない状態で、レシート、保証書もなしで保険金を請求することになりましたが、無事に保険金の支払いを受けることができました。
飛行機に預けたスーツケースが破損した場合には、航空会社は補償してくれないかもしれませんが、バゲージクレームにお願いすれば、スーツケースが破損したことを証明してくれる書類を出してもらえますので、これを第三者による事故の証明として使うことができます。なので、航空会社による補償は期待できないとしても、破損した証明をもらうためバゲージクレームに相談することを忘れないようにしたいですね。
なお、携行品損害補償は、会社の備品であるスーツケースのように、もっぱら業務で使用するためのものには適用されませんが、会社の備品であれば、わざと壊したということでもなければ会社から修理代の支払いを求められることはないのではと思いますが、注意が必要なポイントです。
まとめ
SPGアメックスカードのように、自動付帯となる海外旅行保険で携行品損害補償までカバーされていれば、プライベートでの旅行の時に限らず、仕事の都合による出張であっても、スーツケースの破損といったトラブルに対応することができます。
スーツケースはハードな使われ方をすることが多く、壊れることも多々あります。特に、飛行機に乗るとき荷物を預け、スーツケースが壊れたとき、航空会社が補償してくれないとかなり残念な気持ちになりますが、携行品損害補償が付帯されていれば安心ですね。
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