海外旅行中に子供がけがをしてしまったとき、海外旅行保険をどう使う?

2020年3月14日

海外では、病院に行くとかなりの高額になります。盲腸で入院したりすると数百万円単位での出費になるとか、虫歯の治療で十万円単位の出費になるとか。このため、海外旅行保険に入る方には、高額になりがちな海外での医療費をまかなうことを目的とされる方も多いかと思います。

私の場合、不幸にも、子供がアメリカでけがをするという事故があったため、実際の医療費はどんなものか、そして、海外旅行保険に加入することで、お金の面以外にもどういうメリットがあるのか、実体験に基づいてお伝えしたいと思います。

年末年始の家族旅行で予期せぬけが

年末年始をロサンゼルスやラスベガスで過ごそうと、アメリカを家族旅行で訪れました。小学校低学年のたびひさ(中)幼稚園児のたびひさ(小)を連れての子連れ海外旅行です。

ラスベガスの中心であるストリップ通りでは、例年、カウントダウンイベントが開催されます。12月31日は、夕方になるとストリップ通りの車両通行をストップして歩行者天国にするのですが、花火が打ち上がるカウントダウンに向けて、人通りが多くなってきます

我が家には幼稚園児のたびひさ(小)がいるため、ストリップ通りからほど近いホテルに宿泊し、歩いてストリップ通りを散策することにしました。人が多いため、子供と手をつないで一緒に歩いていたのですが、混雑してくると、すれ違いざまに、人にぶつかってしまうようなこともありました。そのような中、子供が急に「痛い!」と大きな声を出しました。どうも、すれ違いざまに足を踏まれてしまったようです。

「大丈夫?」と聞くと「うん」とうなずくので、そのまましばらく散策し、ホテルに戻りました。足を見てみると、擦り傷らしきものが見られましたが、それ以外に大きな症状は見られす、本人も大丈夫だというので、その際は大したたけがではないだろうと考えていました。

年始にどうやって病院を探す?

翌日のことです。子供の靴下が濡れていることに気がつきました。よくよく確認すると、足の爪にひびが入っているのか、爪のあたりから膿のようなもの汁状のものが出ています。子供に聞いてみると「痛くて歩けない」ということです。擦り傷の類いであれば大丈夫かと思っていたのですが、化膿してしまうとその後が良くないかもしれないので、医者に診せた方が良いかな、と考えました。

しかし、アメリカで医者にかかった経験などありません。それに、今はカウントダウンの翌日、つまり、1月1日で、既に夕刻です。そんな時間に病院が開いているとは思えません。どうしたものか、と考えているうちに、SPGアメックス付帯の海外旅行保険を使うことを思いつき、オーバーシーズ・アシストに電話してみました。

日本とアメリカとの間では時差があるのですが、24時間対応ということで、その日のうちに相談することができました。困ったときに相談することができるなんて、とても頼りになります。しかも、通話料無料となる電話番号がありますので、通話料を気にする必要もありません。

ホテルから電話する場合には、通話料無料の電話番号に電話する場合であっても、ホテルが別途通話料を徴収することがあります。このような場合を想定してか、先方からは、「こちらから折り返し電話しましょうか?」というご提案もありましたので、安心して電話することができると思います。

ただ、先方からの折り返し電話を待っているとき、手元に携帯電話がないと、ホテルの部屋で連絡を待つ他なく、自由に過ごすことができません。このため、アメリカでも通話可能なSIMカードがあれば、どこでも携帯電話で電話を受けることができるので大変役立ちます

私たちは、日本出発前に、Amazonで、10日間利用可能なAT&T社のSIMカードを2500円程度で購入していたので、携帯電話で折り返し電話を受けることができ、とても便利でした。インターネットも使い放題なので、レンタカー利用時にグーグルマップをカーナビ代わりに活用することができたので、長期旅行には必須アイテムです。

お金だけじゃない、海外旅行保険のメリット

オーバーシーズ・アシストのご担当からは、けがの発生した日時や場所、そのときの状況や、けがの状態を問われましたので、可能な限り説明をしました。そして、医療用語の英語に不安があったため、可能であれば日本語が通じる病院を紹介してほしいとこちらからお願いをしました。

近くだと、ロサンゼルスに日本語が通じる病院がいくつかあるのでそこを紹介することは可能だが、年始で営業しているかどうかわからないので、明日の朝病院に電話をして営業時間を確認してから折り返すとのことでした。

ロサンゼルスの朝9時は、日本時間だと深夜2時となります。時差を気にして「いつ頃折り返しの電話をいただけますか?」と確認すると、ロサンゼルス時間の午前中には、という回答でした。24時間対応可能な体制が整えられているからこそのサービスです。

海外旅行保険は、通常、高額になりがちな医療費をまかなうという経済的な負担をなくすために加入することが多いと思いますが、それ以外にも、このように、日本語が通じる医者を探してもらったり、通院可能な時間を確認してもらったりできるので、とても助かります。

1月2日の午前中に電話をいただきました。しかし、病院に連絡したが応答がなく、どうもお休みのようだ、ということでしたので、1月3日に再度病院に連絡してもうこととなりました。旅行中の貴重な時間を割いたにも関わらず、病院に行ってみたらお休みでした、ということになってしまうととても落ち込みますし、けがをした子供にも負担になっていたと思います。やはり、オーバーシーズ・アシストに相談しておいて正解だったなと実感しました。

最終的に、1月3日に改めて電話をいただき、オーバーシーズ・アシストを通じて、1月3日の午後に診察の予約をすることができました。病院の住所と、どのような場所にあるのか、簡単な説明もありました。日本だと、正月三が日はお休みとなる病院がほとんどだと思いますので、3日から開いている病院が見つかってほっとしました

病院に行った結果

まず、駐車場を探すのに手間取りました。アメリカでも使えるSIMカードを入れた携帯電話がありますから、いざとなればグーグルマップで病院の場所を探せばいいかとたかをくくっていたのですが、いざ病院の建物に行ってみると、訪問者向けの駐車場はありませんでした。

少し離れた場所に駐車場を見つけ、歩いて病院が入っている建物に向かったのですが、その建物の見た目はオフィスビルのようで、建物の中に入っても特に病院の看板や案内はありません。部屋番号を聞いていたので、その部屋に向かったのですが、部屋の前にも特に案内は出ていません

ちょっと心配になりながらノックして中に入ると、病院の受付っぽい空間でした。

そこで、「予約していたTABIHISAお世話係ですが、先生をお願いします」と伝えると、なんと、日本語が通じません。日本語が通じる病院をお願いしていたのですが、受付まで日本語対応できるとは限らないようです。

とりあえず予約が入っていることを確認できたのでほっとしていると、次に、保険証書を出すように言われました。とはいえ、クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合、保険証書はありません

とはいえ、私が利用するSPGアメックスカード付帯の海外旅行保険の場合は、はじめに全額立て替え払いしてから、後日、日本で保険会社との間で精算することになっていましたので、保険証書を見せる必要性はありません。なので、その旨説明して、納得してもらいました。

その後、診察室に通され、お医者様ご本人とお会いしました。その方は日系の方で、Dr SUMIとおっしゃいます。片言の日本語でのコミュニケーションとなりました。症状を説明するため、「膿が…」と話しても、「海で泳いだのですか?」という返事があり、「うみ」という言葉がうまく通じない、ということもありました。

英語と日本語で会話しつつ、しっかり診断してもらったところ、結果としては大きなけがではないということで、ほっとしました。化膿止めの抗生物質が処方され、市販薬の塗り薬を使うようにという指示が出ました。

気になる診察費ですが、139ドルでした。日本の感覚からすれば高額なのですが、これだけだとびっくりするほど高い、というものでもないというところでしょうか。ただし、処方された抗生物質の値段が60ドル程度となりまして、合計すると約200ドルとなります。自腹での負担もできなくはありませんが、海外旅行保険があって良かったと思える金額です。

保険金の請求手続き

帰国後、保険会社から届いた書類に必要事項を記載の上、添付書類を添えて返送することになります。

添付書類として必要なのは、病院で発行された領収書薬の領収書医師からの投薬指示書交通費の領収書などの、実際に支払いをしたことが確認できる書類の原本と、日本出発日、帰国日を確認するための書類(航空券の半券など)のコピーです。

医師からの投薬指示書は、特に様式はありません。私たちのときは、メモに医師が英語で書いただけの、手書きメモのようなもので、見た目は公的な書類という感じではありませんでしたが、問題ありませんでした。診察費と薬代の全額について、保険金の対象として認められました。

また、交通費として、Uberの領収書を添えて申請をしたのですが、こちらも保険金の支払いが認められました

これらの必要書類をそろえて書類を返送し、保険金を請求したところ、二週間程度で指定した銀行口座に振り込まれました。領収書は米ドル表示となっていましたが、振り込みは日本円です。ドル円の為替レートは、返送した書類が保険会社に到着した日のレートを用いて換算したとのことでした。

まとめ

海外旅行保険は、経済的な負担をへらすだけでなく、日本語でオーバーシーズ・アシストのようなコールセンターに相談することができ、日本語対応の医者を探して予約までしてもらうなど、手厚いサポートが受けられるといった点で大きな付加価値があると思います。

海外で病院に行かなければならないことはそんなに多くはないのですが、そのような場面は緊急を要する事態だったりしますので、日本語で相談できる相手があるというのはとても安心です